デキる教育者は「肯定表現」を上手に操っていた

肯定表現と否定表現との効果の違い

否定表現は、いわば禁止の意思表示なので、人を萎縮させ消極的にするものとなり、その人の能力を制限する方向に作用します。一方、肯定表現は、いわば推進の意思表示なので、人を溌剌(はつらつ)とさせ積極的にするものとなり、その人の能力を拡大する方向に作用します。その効果が互いに正反対になるのは、当たり前のことです。
有能な教育者は、人の才能を最大限に発揮するように指導しますが、そのためには、肯定表現を多用して、人を困難に挑戦するよう指導します。失敗を恐れて、無闇にあれもこれも禁止するのではなく、若い世代である以上、小さな失敗ならむしろ経験すべきであり、それもまた得難い経験になります。肯定表現は、多彩な経験を積ませるための必要なことになります。

肯定表現と否定表現との使い分け

肯定表現は積極的に用いるべきですが、否定表現も限定的に用いるべきです。無闇な積極性は、危険を呼び込むものであり、重大な危険に関しては、厳しく禁止する他ありません。必要最小限の禁止(否定表現)は行うものの、それ以外なら最大限に推奨(肯定表現)を行うべきだと思われます。肯定表現と否定表現とは非対称の関係にすべきであり、肯定表現が大部分であり否定表現は極一部であることが、望ましいバランスです。
プラスとマイナスとは、本来的に対称の関係にありますが、方法論として組み立てる場合、良い方を最大化し、悪い方を最小化するのは当然であって、非対称にする必要があります。また、この非対称性は、繰り返し用いることで、長所がドンドン積み重なっていきますから、長期の継続によって、大きな知的財産を蓄積することになります。